雨の中の子供

雨がふっていたある日、目の前を子供がお母さんと歩いていた。
3〜4才の男の子らしく、体の割に大きな傘に振られるように
長靴もはいて、雨の中をまさに「いっしょうけんめい」歩いていた。
しばらく後ろでついて歩いてみてたら、子供にとって「雨」と「カサ」は
なんだか楽しいものなんじゃないのか?って思えてきた。

大人の雨とカサにはない、「いっしょうけんめい」ぶりがなんだか
うれしかったのだ。「わたしはたしかに今、子供だし、かさ、やけに
大きいけれど、助けたりなんかしないでね。これでもけっこう楽しいんだ」
って、言ってるような歩き方で、右に、左に、真直ぐ歩けないのはあの
大きすぎるカサのせいなんだけれど、そんなイレギュラーな感じが
どことなしに「雨だもん」といった「雨」ゆえの、楽しそうなイベント
みたいに見えた。

きっとその朝「ヨコハマ買い出し紀行」アニメ版を見たからだろうな。
感性で風景を見られるというのは、楽しいこと。
大人で雨やカサごときに体を振らして歩く人なんていないけれど、おかげで
雨も、カサも、面白くないものにしているのだ。雨だし、車で通勤!だなんて
論外。

子供の、あの、雨なら雨ばかりを、カサならカサばかりを一生懸命に
対峙する姿のおもしろさ、ってなんだろう?うれしそうなんだよなぁ。

雨だし、カサもってるし、いつもみたいに歩けないよ!もう!みたいな
感情を持った歩みには、人間として「楽しい」ものがある。

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