作成日: 17/06/25  
修正日: 17/06/25  

すべては果たされるべき約束なんだ

目の回る6月だった


「アドベンチャータイム」の出来がすこぶる良くて、今日も楽しく5時間特番を喜んで
見通せた。あの絵柄であのテーマとはなんという冒険、冒険そのものではないか。そして
見事な運用、脱帽いたします。

帰省するたびに、母をモーニングに誘うんだけれど、今日などはワンプレートに、もうあと
トーストのせるだけで完成まぎわの朝御飯時に「モーニング行こう!」と母に声をかけたのに
「うん、行こう」と返事もらって、もよりのコメダに行って話をする。今日はモーニングではなく
ホットドッグを美味しそうに食べてた。

これまでと少し違うのは、私への遠慮も配慮も見受けにくくなってて、普通の母の顔になってた
感じがして、とてもうれしいのだった。
世間では乳がんで亡くなったアナウンサーさんの話題もあったりしたけど、母との会話でそれに
触れないのも変だなって思って、話すんだけど、母は自分の感想も話すし、ためらう様子もないし、
ああ、時間がなにかを上手にしてくれるんだとすっとお腹に何か落ちた感じがしたんです。

仕事上ではやたらめったらに「摩擦&背伸び」が続きっぱなしで、前々から拒んでいた肩書きも
ついてしまって、少々面食らってるんだけど、そうもいってらんねー状況もあって、今月なんか
毎週出張に出てるくらいの頻度で走り回ってる。鳥取、金沢、能登、京都、大阪、今週末には
東京。一地方でしんなり静かに過ごしていたいのに、そうもいかないみたい。

明日からはマック部屋も我が部署だけのオフィスっぽくなったし、この夏は息の抜けない日々に
なりそうだ。私生活では疎遠になるかと思ってた方向から仕事が舞い込んだり、友人の来訪、
行ったことのないとこでの山頂ベジタブルランチ、母からなんぞ意味深な「なにかプレゼント」発言
など、自分の周りがちょこっとづつ、なにかを取り戻してる実感が出てきました。
「生える」ように、じわじわと、各個自在な理由で、手前勝手に、「いいこと」が増えてきました。

今日は甥と姪に、車に乗っけてたテントを解放して、ほんのちょっとだけど、テント気分を満喫
しました。姪は手足がどんどん伸びて来てるし、甥もやや粗暴な言葉遣いながらも年長者から
愛されるキャラに育ってるみたい。

すぐ下の弟は、相変わらすの忙しさで、姪には「ブラック企業」呼ばわりされる会社でがんばってる。
聡明な奥さん共々がんばってるし、末の弟も、ちょっとした人生の大きな節目の挑戦を逃げずに
挑んでる最中だ。

いくつものことが、いくつも同時並行したままずんずん手前勝手に進んでて、そのどれもにやっと
色みを私が見いだせるようになって来れたのも、父の死から4ヶ月近くかかってしまったんだなって
ここに書けるくらいにはなったんだ。

でもそれはやっぱり「母」への心配に一区切り見えて来たことが大きい気がするんです。
父のお骨はまだ仏壇の真ん前にあるし、お墓の予定もおおまかに見えて来たし、初盆ももうちょっとで
できそうな所まで来て、母はひたすら「知らなかったこと」「できないかもしれないこと」に連続して
鉢合わせてばっかりだった4ヶ月だったけど、家族のゆるりとしたつながりで、なんとか、なんとか
やってきた感がひとしお。母はほとんど涙を見せなかったし、弱音を吐くのも最小限だったし、
本当に立派な母だと、私は誇らしく思って過ごせました。

予感されるピンチや危機ってものに、その人がどういう態度で臨んで、どういう心持ちで過ごし、
どう結論したかっていうことで、人柄の多くは偲ばれるんだけれど、私の知る限り、母はとても
立派にそれをやりとげたと思うんです。

冒頭に挙げてる、表題の言葉はレイ・ブラッドベリのものだけど、この言葉が何度もリフレインする
昨今なんです。最初、小説で読んだときに、この言葉の真意がよくわからなかったんです。
私はやや心を閉ざしていたし、にぎやかさも、はげましも疎ましく感じ、弱っていました。

思ったより、丈夫みたい。かといって「もう大丈夫」なんて言いたくもなくて、聞かれるのも
心底嫌で、どうしても間を取る他ない「ただ、過ごす」という時間が必要だったんです。
ただ、母にだけは毎週会いにいけるだけ行きました。あとのことは大丈夫って、父とも約束しましたくせに
私はそれほど大丈夫だったか分かりゃしませんけど、ただ、今は母に会って、母と今、話しておかないとって
思うことが、なんだか切羽詰まっていたのです、私自身が勝手に。

母の話したいことと、私がしてあげられることのいくつかは、随分ずれていたかもしれないけれど、
「すべては果たされるべき約束なんだ」って感じが、一番上手に気持ちを示してくれてる気がします。

ふんわりとさ、仕事上でも、家族のことでも、しきりに何度も「ソフトランディングさせたい」って
このごろ連発していってるんだけど、こういうのって大事なことだな。
今日は帰り際にトマト、キュウリ、びわ、プラム、桃をもたせてもらった。地元の果物はどれも体に
なじんで美味しい。帰宅して食べてからも、ぐんぐん元気が出て来る。この果物くらいのあり方で
「約束」を行えれば、それはうれしいことなんだと思う。