作成日: 20/01/16  
修正日: 20/01/17  

こだわって候

ミニマムに候


人知れず凝っているものがあります。
ひとつは「ハンバーガー作り」。意外でしょう?好きなのよハンバーガー。
それも手作りのんよ。最初はバンズが手に入らなくて、最寄りの店では
マフィンしか買えなかったのよ。そんでもいいやってやってる時に
「ハンバーガーの代わりにハムでも旨いんじゃね?」とか思いついたり
「ホットサンドみたく、ぎゅううといわせたら旨いんじゃね?」と
およそハンバーガーではないものに邁進してることに気づかずに作り
あげてみたら、うおーーー!不味い!その上ハンバーガーじゃない!と
作ってから気づく有様。旨いはずがない。タレだけは照り焼きソースとか
盛ったりしてるのにね。あかんなー。

てなわけで、正式のバンズと、ハンバーグをちゃんと用意して、ケチャップに
マスタードでシンプルに作ってみたら、旨い!旨いですな!御店できますな!
(いつもこの結論に至ってしまう)
いやいや楽しいかも。調子のいい時は作り続けてみます。

さて、今ひとつの凝ってるものは「手作りストーブ」です。
昨今の天災の荒ぶりように、すっかり畏怖の念を強くした私は、
神様がお怒りじゃあ、と怖じ気づいたのです。電気なんてすぐ止まって
しまうものなときに、明かりも暖房もとれないんじゃ、いっぱしの
大人だなんて言えないな!って思いまして(どうして私がそう思うのかは
各自考えてください)、石油ストーブでもまぁ事足りるんでしょうが、
有事の際には大量の「廃棄物」が発生するので、それを「燃やせる」
コンディションがあれば一石二鳥なんじゃね?と無双なひらめきにしびれ、
「これからは手作りストーブじゃあああああ」となったのです。
(躁鬱のケがあるかもしれませんが、止めてはいけません。放っておくのです)

さて、手作りストーブなんて作ったことないので、ネットで調べたり
ユーチューブ様にお知恵拝借です。すると、ソロキャンパーなど、
数々の猛者がとっくに手作りしてました。
それらを見てて「お、やれる!」と思い立ち、まずはちっちゃなストーブ
からやってみました。

缶に穴をあけたり、ほどよく隙間を作ったりするのは愉快です。
ほくほくして1号機を作りあげまして、木片を投入、火入れをしますが
燃え上がりません。んむ?
そうか、材料が足りないのね?と燃えそうな紙やら炭やら投入し続け
いよいよストーブ内はぎゅうぎゅう詰めとなり、うんともすんとも
ニンともカンとも言いません。うぬぅ。

詰め込み過ぎでした。空気がまったくストーブ内を巡っていません。
なにより、着火の工夫をしてもいないくせに、轟々と燃え上がってくれるほど
ストーブ道は甘くなかったのです。

まずは「着火」できるかどうかが「それっぽい」人になるための
一撃目でした。紙ではボウ、と燃え上がって終了です。その点「丸めた
段ボール」が実に着火時にはいいものでした。

もひとつ。「紙薪」というのもやってみました。
新聞紙をちぎってみずに浸して、棒状のものに巻き付けて乾かす。
すると「なんちゃって薪」として機能するのです。実際作ってみました。

ボウ、と燃え上がるのではなく、じわじわ時間をかけて燃えてくれます。
なるほど「薪」の役割を果たしてます。警視庁だかどこだかが推奨
してるだけのことはあります。有事の際までに作り溜めておきましょう。

冬の時期なのでみかんの皮が大量に出ます。この皮を乾かすといい燃料に
なるともどこかに書いてあったので、延々食っては乾かし乾かしては焼くの
ですが、今ンところ、さほど素敵な燃え材料ではありません。

私は「ピスタチオ派」なので、大量に殻がでます。これなら植物系の
油脂が含まれてていーだろーと投入してますが、これもけっこう燃えます。

とか色々試してて、着火に自信がついてきました。こうなってくると
ちょっとした着火の手管をそろえたくなってきまして、ネットを徘徊
してたら「ポケトーチ」なるものを発見。100円ライターを本体内に
仕込むだけで、ミニバーナーにすることができる優れものでした。

こうして、日々「洗濯物を干してる人が怒らない」程度にミニストーブ
着火を繰り返しております。2次燃焼までたどり着くと、ほとんど煙は
立たず、炎だけがきらめくのです。

これやってると、もっぱら上着が煤臭くなります。これ、いい香り
なんですよね。鼻の奥とかまでこの香りになります。たいてい
その日にお風呂に入るまで消えません。
現代でこの香りにまみれない文化人は、なんだかもったいない贅沢を
見落としてる気がします。火ってやっぱり魅力あるんですよね。

でも一人で黙々とミニストーブで煙にまみれてると、「放火魔」みたいに
見えなくもなくて、少々心細くはなりますけどね。
それを押しても「炎」を見て、なーんも考えないことと、「煙」にまみれて
「点かねえなあ」とひとりごちて半日過ぎてたりすると、不思議に
心が晴れてるのがなによりです。ほんとうに、なによりですよ。

ゆくゆくはミニストーブでお湯を沸かすまでやりますぞ。
今の一号機は少々ミニマムすぎて、燃料投下をひっきりなしにせねばならぬ
致命的欠陥があるのです。炭だとあったまるけど、それでも部屋で
暖をとるようなものにはならないんですけどね。

あー楽しい!