作成日: 20/06/03  
修正日: 20/06/03  

とんぺい焼きの男

うまいもんはうまい(これって版権あるの?)


なにを隠そう、わたしはとてもとんぺい焼きが大好きです。今も一杯作ってぺろりといきました。
余韻にまだ舌がリフレインを楽しんでいます。フランス人がワインをたしなむように、アタクシは
とんぺい焼きをたしなむって訳です。訳ですってなによ?まぁそうなんです。

平凡な材料でできるのに、魔法のように美味しくなるのが不思議。たしか出会いは岡山か
鹿児島の居酒屋だった気がするのですが、なんかやたら美味くて気に入ったのに、その調理の
名前が分からない。ソースもマヨネーズも美味い。焼きそばも美味い。なのに名前がとんと
わからない。

それが判明するのは後々名古屋駅前の居酒屋でメニューに「とんぺい焼き」と写真付きで
載っていたときで、たしかおかわりもした記憶があります。うれしかったな。美味しかったな。
こういう出会いなので、世に言う「とんぺい焼き」は「飲み屋のメニュー」なんだと私は
認識する事になりますが、そのうち店までいかずとも、自宅で作るようになりました。
そしてやっぱり美味いと来てる!最高!今日は天かす入れてみたよ。

私の言うとんぺい焼きは「卵の薄焼き皮で包まれた、焼きそばソースたっぷりの焼きそばを
味わうもの」なんですけれど、あってます?世界とんぺい焼き協会(?)にドヤされません?
一瞬、関西のお好み焼き、広島のお好み焼き、が脳内で錯綜するんですけど、正直生地は
焼きそばの方が断然美味い派。派?派ってなによ。でも好きなのさ。美味いのさ。

お好みソースにマヨネーズにあおさが乗っかりゃなんでもごちそうよね。たぶんフランス人
くらいなら「Bon!Bon!Tre Boooon!」位は言い放つと思います。ロバート・フルガムさん
だったら「ヤミヤミー!」と外国語で感嘆すると思います。

この午後に係るアンニュイな時間を、贅沢にもとんぺい焼きで過ごす間にも、世界はコロナ
ウイルスと、アメリカ、フランスの黒人差別に端を発した暴動のニュースにあふれています。
ああ、なんで争いは絶えないんだろう。どうして人を憎む事になるんだろう。たき付ける人が
いるからなのか。それともうんと前から「憎しみ」は爆発できる機会を伺って、蓄積してた
だけなんだろうか。いつまでこんなのが続くんだろうか。エスカレートした時に、人はどこに
たどり着くんだろうか、と高尚な考察をした振りをしながら、私はとんぺい焼きを貪り食って
おるのでした。様にはなりません。むしろ滑稽です。とんぺい焼きを汗、流しながら食いながら
世界情勢・・・・・

トランプもとんぺい焼き囲んで、国民と話すりゃ、もっと通りのいいこと言えるだろうにとか
思いました。バーガーばっかり食ってるからだよ、とんぺい食え、とんぺい焼きをよ。
そういや明日でamazonで購入した姪へのプレゼント到着予定日だったっけ。購入して1ヶ月で
届かず、香港の郵便局で止まってるそれは、もはや中国とアメリカの狭間で「動けませぬ!」と
意思表明してるようなもので、それなのに配送元は「2週間くらいで届きます」「コロナのせいで
遅れてるんです」とメールしてきました。その後に続く「香港一国一制度の凶行」で、このまま
香港にプレゼントは四散してしまうのではないかと、時々ニュースで香港を見るたびに、
amazon箱が映らないか、見ているのです。当のamazonでは、その配送状況をついに
「荷物の所在が分かりません」となった。こんな店ってある?とんぺい焼き食って猛省せよ!

などなどと、世界の困りごとを悉(ことごと)く、遍(あまね)くとんぺい焼きの魔性の美味さに
昇華させ、平和になれ、平和になーれ、と藤岡弘。先生の淹れるコーヒーの呪文のように
つぶやく私なのでした。
はい!今回はとんぺい焼きの話。バハハーイ!